口から食べる幸せを守る家族会
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なんとかもう一度食べさせてあげたい

主人は誤嚥性肺炎で入院し、胃ろう、経口栄養のみに。家族会メーリングリストの相談によって再び食べられるようになった経緯。

第6回全国大会ではお世話になりました。とてもいいお話が聞くことができました。私は内藤といいます。主人が2年前に脳梗塞で入院、幸いに軽いマヒでしたが言語が思うようにならない。リハビリの結果ペースト状の食事ができるようになりました。

その後施設に入居、今年の4月に誤えんせい肺炎で入院その病院ではもう食べることはできないと言われた。人間らしく過ごさせたいので病院は退院して又施設に戻りました。なんとか食べられるようにしたいです。

嚥下外来で受診したいと思っていますが教えて下さい。私も勉強して正しく食べることの大事さを身につけていきたいです。小山先生、スタッフの皆様お世話になりました。又同じ悩みの仲間に出会えたこと感謝します。

2018年7月17日(火) 23:37

主人が脳梗塞で入院してその後リハビリしてペースト状の食事ができるようになりました。退院時に胃ろうになり、老人施設に入居しました。そこでも言語聴覚士のお世話でペースト状の食事ができていました。

誤嚥性肺炎で4月入院して経口栄養のみになりました。ただベッドで寝ているだけで何の手助けもしてくれない。人間らしく過ごさせたいと思って退院させました。

今は施設に戻り食べたい、歩きたいと意思表示をします。その病院が今食べさせると死に至る、それを承知で退院させるという退院時の診断でした。今の施設の訪問医もその診断を変えることできず、家族(私は後妻で主人の娘が二人いる、連れ添って28年)の話し合いをして決めて下さい。

横浜に嚥下外来があるのですがご存知でしょうか。そのようなところできちんとみてもらいたいのです。なんとかもう一度食べさせてあげたいのです。お知恵を貸して下さい。私も勉強して正しく食べさせと思っています。この会に出会えて感謝しています。

2018年7月19日(木) 16:26
小山珠美(看護師)

会員、家族会のご参加ありがとうございます。 加えて、9月24日東京で開催の実技セミナーにもご参加予定であり、内藤様の必死の思いが伝わってきます。 当然、ケア部分でやるべきことはやりつつ、内藤さんご自身が勉強して自分でやれることをやるという強い意思と、その動きを継続することは大事です。

しかし、今の医療・福祉は主治医統制です。 家族の思いや願いを単に伝えるだけでは、そう簡単に動きません。食べさせ方を家族が学ぶことも大事ですが、その技術力を周囲が認めないと排斥される可能性もあります。 ある意味、在宅以外で療養生活を余儀なくされる場合は医師の手中にあるという覚悟が必要です。 ご相談の内容から、STやPTがいても、主治医の許可がなければだれも食べることをやることはできません。

そのため、もう一度主治医と面談してください。 主治医の考え方を受け入れつつ、内藤さんの思いを再度伝えて、危険を承知で食べさせてあげたいと訴えてください。 その上で、どうすれば食べるリハビリをさせてもらえるのか?と主治医の意見を再度きいてください。

今の内藤さんの状況下で、正しく食べることを検査して、食べるリハビリをやってくれる神奈川での外来はすぐに思い当たりません。 ただ、神奈川摂食嚥下リハビリテーション研究会という組織がありますので、そちらに相談されてもいいかと思います。 地区ごとに窓口が作られています。

以下提案です。
お住まいが神奈川の相模原市ということですので、主治医から診療情報提供書を、当院(伊勢原協同病院)の地域医療連携室に送っていただければ、私が直接訪問して評価することはできます(自費となりますが訪問摂食機能療法というシステムを作りました)。 あくまでも主治医がOKしてくれればという条件です。 主治医の許可がでれば、伊勢原協同病院の地域医療連携室に、「訪問の食べるリハビリをしてほしい」と電話連絡をして、手続きを訊いてください。私は直接関与しませんので、小山を電話で呼ばないようにお願いします。

加えて、ご家族内での意思統一を図ってください。キーパーソンが窓口になることも条件です。 家族内での考え方がバラバラだと私達は対応できかねます。 何よりも、キーマンの医師を動かす戦略を練ってください。

全国大会で刺激を受けて主人の食べたい気持ちなんとかしたく検討しています。相模原市に住んでいます。複雑な家族の為、家族皆の同意を得て嚥下検査を受けて欲しいと施設の訪問医に言われました。

本人は食べたい気持ちあるので訪問医は家族が同意しているのであれば、協力しますと言ってくださいました。その嚥下検査をどこで受けるか主人に負担をかけないように近くで受けさせたいけどわからないのでご存知のところ教えていただきたいのです。

主人は85才で3年前に脳梗塞で左側が少しマヒしてます。ペーストの食事を取れていましたが4月ごろに嚥下肺炎で入院してその病院でもう食べること無理ですと言われました。

退院して施設にいますし本人は毎日食べたいと訴えます。施設も条件が整えば協力すると言われました。痰が時々昼間引き、夜は一回は引くようです。後は元気です。長くなりましたが参考に教えていただきたいのです。

2018年8月28日(火) 16:28
小山珠美(看護師)

再度のご相談ありがとうございます。 食べることへの評価ですが、どんなことをご希望でしょうか? いわゆる嚥下造影検査や嚥下内視鏡検査をご希望でしたら以下のマップで探していただくしかありません。 ただ、これらの検査は全国大会でもお伝えしたように、かなりハードルが高い上に、長期間食べていないと誤嚥の検出が多くなります。以下に全国医療資源マップをご紹介しますので検索してみてください。
全国医療資源マップ

以前、竹市さんからもアドバスがあったようにプリンやゼリーなどを少しづつはじめたらどうでしょうか。 相模原市でしたら、主治医から当院(伊勢原協同病院地域医療連携室)へ、訪問摂食機能療法の依頼文書をいただければ、小山が訪問することはできます。 ご検討ください。

昨日、小山先生に施設に来ていただき主人の状態をみていただきました。先生ありがとうございました、感謝いたします。水を飲んでもむせず、ゼリーを食べたら嬉しそうな表情で口を動かし呑み込みました。以前はゴックンに時間がかかりましたが、今回は先生の言葉かけに応えて呑み込み上手に出来ました。大好きなヨーグルトを食べさせていただきましたが大丈夫でした。

言葉かけに応えてくれるので安心しました。身内で食べさせてみましたが、私の失敗が食べて直ぐに美味しいと聞いたことです。まだ食べられているかどうかわからない時は声かけはダメですと指導受けました。口に入れてあげる時は食べようねとかゴックンしょうかなどは声かけする。今回は沢山学びました。焦らないで楽しい食べる時間を作っていきたいと思っています。

10月中は先程の形状の食べ物をベッド上で正しい姿勢で食べます。その後は先生に来ていただき、何が食べられるかを指導していただきます。当施設には言語療法士いますが、なりたてでなかなか家族が思うようにしてもらえません。今回は先生の指導で口腔ケアのことをしっかりする、家族は食べさせることをするということになりました。皆様の情報ありがとうございました。私にとっても心強く、助かりました。時々その後の様子をメールいたします。

2018年9月28日(金) 15:28
小山珠美(看護師)

ご主人に、なんとか食べる見通しをつけて差し上げられホッとしました。 今回は、たまたま当院から1時間以内の圏内であり、主治医からの紹介状が当院の地域医療連携室にあったので対応ができました。

ただ、想像以上に嚥下機能低下は重症でした。 特に、偽性球麻痺といって脳の両側に梗塞ある状態で、鼻咽腔閉鎖不全(鼻に空気が抜ける)状態で、なかなか嚥下反射が起こりにくい状態でした。 喉頭閉鎖不全もそれなりにかなりありました(喉ぼとけが上がらない)し、かなりの低栄養でした。 義歯は上顎のみありましたので幸いでしたが、下顎の義歯は不具合があるとのことでありませんでした。 そのため、口腔内圧が低く、送り込みに時間を要しました。 夜間吸引もしているとのことでしたが、評価中は唾液の貯留音や痰の増加もなく、呼吸も安定していましたので、おそらく夜寝ている時の姿勢の問題で、唾液を誤嚥しているのではないかと思われました。

そのため、きちんとした技術をもっていない人は、食べるのは無理!というのもやむを得ないと感じましたが、そこで終わってしまうんですね。 禁止するのみで、どうすれば食べられるか!の視点がありません。 今回も嚥下内視鏡(VE)で、歯科医師にダメ出しされた事例です。

食事姿勢ですが、前回の方もそうですが、長期間食べていない人に、「座れるから、歩いているから」といって、即座に座位で水飲みテストやフードテストを開始するのは危険です。水飲みテストも当然、改訂水飲みテスト(3ml)をしますが、最初から3mlでは危険ですので、まずは、口腔内を湿潤させたら、1ml、2mlと増やしていきます。座位(普通に座った状態)で評価をすることや、顎が上がった状態、当然腕が下がった状態も危険です(口から食べる幸せをサポートする包括的スキルp58-59参照)。それで大丈夫であれば角度を45度、60度とあげていきます。この原理原則を守ることが大事です。 長期に食べていない人は、口を閉じる力や舌を動かす力、喉ぼとけを上げる力が衰えていますので、重力の力を借りて口から喉そして食道を通してあげることが必要だからです。

それに、「美味しい?」って聞きたくなる気持ちはわかりますが、嚥下をスムーズに起こせない人にとっては危険な言葉かけになります。 口の中に食べ物や飲み物が入っている時に「おいしい」って言葉を発したらどうなるか? 口を開けるし、声門(空気の入る道や声を出す道)を開くことになり、誤嚥のリスクが高まります。 内藤さんきつくしかってしまって申し訳ありませんでした。 でも、こちらも命に係わる真剣勝負をしていますのでご理解ください。

内藤さんのご主人への愛情と周囲への葛藤もお聞かせいただき、本当に辛い日々を過ごされてきたのだなあと思いました。 その上で、あきらめないで、24日のKTSM実技セミナーにも参加いただき、一生懸命に自分が食べさせる技術を得ようという意気込みは、関心がない人たちをも動かすと思いました。往診元クリニックからも相談員が同席してくださりありがたかったです。

まだ、1回だけの訪問で、継続して対応してくださる方が誰もいない。家族がやるしかないという現実を突き付けられてはいますが、なんとかサポートさせていただきます。当面1ヶ月はゼリー、プリン、ヨーグルトなどを1日2個ぐらいを目標にしていきましょう。合わせて低栄養ですので、胃ろうからカロリーとタンパク質量を増やすように主治医に提案しておきます。 次回はネギトロと餃子めざしましょう(^^♪

これからも食べられるはずの方が食べさせてもらえてない世の中の不条理に立ち向かっていきましょう。

このメーリングリストには様々なご家族が入っています。 食べられている人、食べられるようになりつつある人、まだ食べられないでいる人、すでに亡くなった人、、、、 ご自身の状況により受けとめ方は様々だと思いますが、「口から食べる幸せを守る家族会が進む道筋」を歩むべく発信させていただきます。 今回の内藤さんの事例も、丹羽さんの事例もそうですが、家族が「思いだけでなく、実践レベル」で周囲に立ち向かっていくことができるかが勝負だと痛感しました。 「家族が知識を得て食事介助の技術力を高めることで、事態を変えることができる!」と思っています。 家族会設立に至る前までは、家族が「食べさせてほしい!」と窮状を発信していくことで、医療者に声が届くのではないか、社会変革に繋がるという単純な思いでしたが、この3ヶ月を皆様の動きをみていて、「家族の実践力」を実感しています。 そのためにも、今後は食事介助サポーターなどの一般人が活躍できるような制度改革も必要だと考えています。 まさに、内藤さんは、実技セミナーにも参加くださいましたので、施設内での、どの職種よりも上手に姿勢調整や食事介助ができると思いました。

小山先生に主人がお世話になって12日目ですが食べられるということは凄い。ゼリーかヨオグルト、プリンですがほぼ完食です。プリンは甘いといい半分くらいです。今では自分でスプーンを自分で持ちたがります。危険にならぬようぬ私の手を添えて二口くらい食べさせています。姿勢の大事さを痛感しました。

近くのスーパーに食べたい物を買いに連れていき選ばせます。体力もだんだんつきはじめとても歩きたがります。人としてのあるべき姿を取り戻しつつあります。有難いことですね。今のところ順調ですので、様子はメールいたします。

2018年10月9日(火) 16:59

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小山珠美(看護師)

世話人副代表, NPO法人口から食べる幸せを守る会®理事長, JA神奈川県厚生連伊勢原協同病院

口から食べることは生命を育む根幹であり、人間が幸せに生きるための基本的な権利です。しかし、現況の医療や福祉の現場では、口から食べたい願いが叶わず、点滴や胃ろう栄養のみという方々が大勢いらっしゃいます。この現状をなんとかしたいという思いで、看護師として実務や啓発活動を行ってきましたが、救いの手を求めている患者さんやご家族への支援がまだまだ足りません。そこで、NPO法人「口から食べる幸せを守る会」を有志で立ち上げ、直接的な医療活動を継続していくだけでなく、幅広く社会貢献したいという考えに至りました。私たちは、口から食べることの大切さについての普及・啓発活動に加えて、よりクオリティーの高い食支援ができる人材育成を図ります。そして、保健・医療・福祉関係者、当事者・ご家族、行政、一般企業の方々と有機的なネットワーク構築を拡充し、「口から食べて幸せに暮らせる優しい社会」になるよう力を注ぎたいと考えています。

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