父の脳梗塞による嚥下障害を改善する情報が少しでも得られないものかと大会に申し込みしたところ、家族会にご招待いただきました。
介護について相談する人もなく、次々に起こる問題に戸惑い、判断に悩む日々でしたが、口から食べる幸せを守る会の全国大会と家族会に参加して有意義な助言と情報を得ることができ、そして何よりも希望を持つことができました。
このような機会を与えていただいた皆様に心よりお礼申し上げます。
これまでに4つの病院を経て、9つの施設を見学しましたが、口から食べることが想像以上に軽んじられていると実感しました。
「食べると誤嚥性肺炎になる」と繰り返し説明を受けますが、口腔ケアは10秒未満の拭き掃除のみ、液体栄養時間は毎食3時間寝かせきりで、禁食と安静が誤嚥性肺炎の予防策のような扱いに疑問を感じてきました。
父が入院中の回復期病院は愛知県下有数の病院です。遅々として進まない摂食訓練に焦りを感じていた時、主治医から「食べる訓練のためには経鼻から胃ろうにした方が良い」と言われました。
同じようなことが急性期病院でもありました。「食べる訓練のためには経鼻より中心静脈栄養の方が良い」と言われました。
良かれと思い同意しましたが、留置手術から戻った父は呼びかけにも反応せず、昏睡状態に陥りました。
同意したことを激しく後悔し、意識が再び戻ることを祈りました。
2週間後に片目が開き、やがて単語を発するようになり、著しく回復しているように見えました。
回復期病院転院も間もないと思い込んでいましたが、主治医から療養病院を勧められました。
その時初めて、食べるために良かれと選んだ中心静脈栄養では回復期病院に入れないと知り、己の無知を呪いました。
「父は確実に良くなっています。回復期病院に行かせてください」と頼み込みました。
「経鼻にすると誤嚥性肺炎を起こすかもしれません。それでも良いですか」と言う主治医に「経鼻にしてください」とお願いしました。
必死の思いで入った回復期病院で同じことを言われ、良かれと思ったことが昏睡を招き、回復への障害となった場面が頭をよぎりました。
「胃ろうは欧米では当たり前」と言う主治医。何が最善なのか、何を選択すべきなのか答えを出せず苦しんでいる時に「口から食べる幸せを守る会」に問い合わせてみることに思い至りました。
こちらの会は父の「食べたい」を叶えたいと調べているときに知りました。
「口から食べる幸せをサポートする包括的スキル」を読んで、体系立った理論、実践的なスキルに「これなら自分にもできる!」と感動し、KTチャートを活用、口腔ケア、離床を実施していました。
会の一瀬先生からすぐに回答をいただき、温かく思いやりのあふれるメールに涙がこぼれました。
医師や医療方法に対する疑心と不信が積み重なる中、見も知らぬ人間にここまで親身になって考えてくださったことに心が救われました。
多職種連携によるサポートがあり、食べさせたいという同じ思いを持つ人たちを結びつけるこの取組みはまさに望んでいたものです。
私は医療従事者ではありませんので、代わりに自分の失敗したことや実践していることを共有したり、一瀬先生のメールが心の救いになったのと同じように、家族の思いに共感し、少しでも苦しみを和らげるお手伝いができればと考えています。
「口から食べる幸せをサポートする包括的スキル」が業界標準となり、その考え方が普遍的で当たり前の社会になるまで尽力を続けたいと思います。
現在の状況としては、7月末に父の老健移転がありますのでそれに備え、 担当STより摂食技術の指導を週1~2回受けています。
食物形態は通常コード2-1のミキサー食ですが、コード3のあいーとは特別に許可が出ており、においを嗅いで嬉しそうな顔をします。
昏睡から目が覚めた後、初めて発した言葉が「アツイオチャ」だったので、飲ませたいと常々思っていたのですが、液体は禁じられてきました。
先日、嚥下造影検査に立ち会いましたが気道に入るような様子は見られませんでした。
家族会黒木さんの「温かいお茶が飲みたい」というお父様のささやかな希望を叶えることができなかったという言葉を思い出し、今ならと思い、お茶を用意、まずうがいをしてもらいました。
問題なかったので、少しだけ飲んでみてと指示、むせることなく飲んだ後「おいしいなあ」と言いました。
もう少しだけ飲んでみてと指示、今度は激しくむせました。「ちょっと飲みすぎたな」と言ってバツの悪そうな顔をしました。
5ヶ月ぶりの液体飲み込みでした。
私の母が同じ状態です。どうすれば入会というか情報を得られますでしょうか。
貴重なお話 ありがとうございます。
お母様が食べられなくなり、解決方法を求めて口から食べる幸せを守る家族会のサイトにたどり着いたのだと思います。
お尋ねの情報と入会についてご案内いたします。
●情報
【必読書と必読経験談】
以下は必読書と必読経験談です。
「口から食べる幸せを守る包括的スキル」をお持ちでない場合はお早めにご用意されることをお勧めします。
口から食べる力を取り戻す方法、リハビリ方法などが詳しく、実践的に書かれています。医療職が読む本なので難しく感じるかもしれません。知識は力となります。家族の力で大切な家族の食べる力を取り戻すことに成功した会員は皆これを熟読し、実践しています。
口から食べる幸せを守る包括的スキル
家族を守れるのは家族しかいない
母の口から食べる幸せを守り続ける
【食事介助技術の習得】
大切な家族の食べる力を取り戻すためには、自分自身が食事介助技術を身に着ける必要があります。以下はKTSM実技セミナー、食事サポーター講座の予定一覧です。
KTSM実技セミナー、食事サポーター講座のお知らせ
私はKTSM実技セミナーに参加し、口から食べる幸せを守る包括的スキルに従って、父の食事介助を自ら行うことで、回復期病院の言語聴覚士(食べさせるプロフェッショナルと言われている)による5か月間の訓練でもできなかった父の食べる力を3週間で取り戻すことができました。
病院で見離された胃ろうの父が3週間で自力摂取できるようになる
KTSM実技セミナー、食事サポーター講座はすぐにいっぱいになりますので早めの予約をお勧めします。
また必読書を読んでから、現在の病院、施設などで摂食訓練や食事介助をよく観察することをお勧めします。
【KTSM実技認定者に依頼】
以下は食べる力を取り戻す摂食技術を磨いた医療職に与えられるKTSM実技認定士のマップです。本当の食べさせるプロフェッショナルです。しかしながら、現在の医療制度に阻まれ、KTSM実技認定士に診てもらうことは非常に難しいです。
病院や老健のような病院に準ずる施設に入院中の場合はほぼ不可能です。また訪問看護、訪問診療の場合でも保健が効くのはKTSM実技認定士の所属先から16km圏内と限られています。幸運にもKTSM実技認定士の所属先から16km圏内の方、またはどんなことをしてもKTSM実技認定士に診てもらいたいという方は相談窓口よりご依頼ください。
KTSM実技認定者マップ
決してあきらめない強い心で戦い、KTSM実技認定士に診てもらうことで大切な家族の食べる力を取り戻した経験談を最後に紹介します。
病院にお任せでは大事な家族は救えない。知識や情報を集め、行動していくことが大事
●入会
会員登録から家族会の入会申し込みができます。
上の「●情報」は入会の申込案内の一部を記載いたしました。
口から食べる幸せを守る包括的スキルを何度も何度も読み返すことで、何をしたらよいか見えてきます。
何をしたらよいかわからないと不安がつのりますが、正しい道が見えれば不安も減少するかもしれません。
お母さまの症状が良い方向に進んでいくことを心より祈っております。